
外壁塗装を検討されているお客様から、
「艶ありと艶なしはどちらが良いですか?」
「艶を消すと耐久性は下がりますか?」
「新築のような仕上がりにしたいのですがおすすめはありますか?」
といったご質問をいただくことがあります。
塗装工事を検討する際、多くの方は塗料の種類や色に注目しがちですが、実は「艶(つや)」も仕上がりや耐久性に大きく関わる重要な要素です。
同じ色の塗料でも、艶の有無によって住宅の印象は大きく変わります。
また、艶の選び方によって汚れの付きやすさや塗膜の持ちにも違いが生じます。
今回は一級塗装技能士の視点から、塗料の艶について詳しく解説します。
【塗料の艶とは?】
塗料の艶とは、塗装後の表面が光をどの程度反射するかを表したものです。
外壁塗装では主に以下の種類があります。
艶あり(全艶)
7分艶(少し落ち着いたツヤ)
5分艶(半艶、バランス型)
3分艶(かなり落ち着く)
艶消し(艶なし、マット)
数字が小さくなるほど光沢が少なくなり、落ち着いた仕上がりになります。
塗料メーカーによって表記方法は多少異なりますが、基本的な考え方は同じです。
【艶あり塗装の特徴】
“光沢感があり新築時のような仕上がり”
艶あり塗装は光の反射が強く、外壁に明るさと清潔感が生まれます。
塗装直後は特に美しく見えやすく、新築時のような印象を求める方に選ばれることが多い仕上げです。
“汚れが付きにくい”
艶あり塗膜は表面が比較的滑らかになります。
そのため、ホコリ・排気ガス・雨だれ汚れ、などが付着しにくくなります。
長期間美観を維持したい方にはメリットがあります。
“塗膜性能を発揮しやすい”
一般的に塗料は艶ありの状態がメーカーが想定する標準仕様です。
艶消し剤などを添加していないため、本来の塗膜性能を発揮しやすい傾向があります。
【艶消し塗装の特徴】
“落ち着いた高級感のある仕上がり”
近年は艶を抑えた外壁が人気です。
特に、モダン住宅、和風住宅、マットなデザイン住宅では艶消しや3分艶を選ばれるケースが増えています。
光の反射が少ないため、落ち着いた雰囲気になります。
“外壁の凹凸が目立ちにくい”
艶が強いと光の反射によって外壁の凹凸が目立つことがあります。
一方で艶を抑えると反射が少なくなるため、外壁材の質感が自然に見えやすくなります。
“艶ありより耐久性が低下する場合がある”
ここは職人として正しくお伝えしたいポイントです。
艶消し塗料や艶調整塗料は、艶あり塗料と比較すると耐久性がやや低下する場合があります。
理由としては、艶調整剤が添加される、表面がやや粗くなる、などが挙げられます。
ただし近年の高性能塗料では性能差が小さい製品も増えているため、一概に大きな差が出るとは言えません。
塗料ごとの仕様を確認することが重要です。
職人がよくおすすめするのは「3分艶〜5分艶」
実際の現場では、艶ありは少し光沢が強い、艶消しは耐久性が気になるという理由から、
3分艶や5分艶を選ばれるお客様が非常に多いです。
程よい光沢がありながら落ち着いた印象に仕上がるため、多くの住宅に合わせやすい特徴があります。
特に最近の住宅デザインとの相性も良く、完成後の満足度も高い傾向があります。
【艶は時間とともに減少する】
塗装後の艶は永久に続くものではありません。
紫外線や雨風の影響によって徐々に艶は失われていきます。
これは塗膜の劣化が進む自然な現象です。
そのため、「塗装直後の艶が強すぎる気がする」という場合でも、数か月から数年かけて落ち着いていきます。
施工直後の見た目だけで判断しないことも大切です。
【艶の選び方で失敗しないためのポイント】
・周囲の住宅との調和を考える
外壁は住宅単体ではなく街並みの中で見られます。
周囲の住宅が落ち着いた色合いの場合、艶を抑えた方が自然に馴染むことがあります。
・サンプルは屋外で確認する
室内と屋外では見え方が大きく異なります。
必ず日光の当たる場所で確認しましょう。
・色と艶はセットで考える
同じ色でも艶によって印象が変わります。
例えば黒や濃色系では艶ありだと光沢が強く見えやすく、艶を抑えると落ち着いた印象になります。
色選びだけではなく、艶選びも同時に行うことが大切です。
【一級塗装技能士としての考え】
外壁塗装は、単に塗料を塗るだけではなく、建物の状態、周辺環境、お客様の好み、使用する塗料の性能、塗装後の塗膜の持ちなどを総合的に考えることが重要になります。
塗膜の機能性だけをみるならば、全ツヤが良いのかもしれません。
しかし、塗装の目的は、耐久性だけではなく美観も目的の一部です。
艶を落とすと耐久性は落ちる代わりに見た目が落ち着きます。
塗料の艶選びは、「見た目」と「耐久性」のバランスを考慮することがおすすめです。
(全ツヤと艶消しの耐久性の差は1~2年程度と言われています。しかし施工精度・下地の状態・日当たり・立地など様々な条件により異なります。)
住む人やその建物によって最適な選択は異なります。
大切なのは見た目だけで判断するのではなく、今後どのような外観を維持したいのか、どれくらいの耐久性を求めるのかを考えながら選ぶことです。
【最後に】
塗料の艶は住宅の印象を左右するだけではなく、あまり知られていないかもしれませんが、塗膜性能や汚れの付きやすさにも関わる重要な要素です。
・艶ありは光沢があり汚れに強い
・艶消しは落ち着いた仕上がりになる
・3分艶や5分艶は見た目と耐久性のバランスが良く人気
・艶は経年とともに少しずつ低下する
・色選びと同じくらい艶選びも重要
外壁塗装を検討する際は、色だけではなく艶についてもぜひご相談ください。
愛富では一級塗装技能士がお住まいの外壁材の状態を確認し、お客様のご希望に合わせた最適な仕上がりをご提案いたします。
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