
外壁塗装を検討される際、多くの方が悩まれるのが「どの色を選べば良いのか」という点です。
外壁の色は住宅の印象を大きく左右するだけでなく、塗装後は簡単に変更できません。
そのため、色選びは塗料選びと同じくらい重要な工程です。
また、色選びとあわせて考えたいのが「艶(つや)」です。
同じ色でも艶の有無によって仕上がりの印象は大きく変わります。
今回は塗装職人の視点から、外壁塗装で失敗しない色選びのポイントについて解説します。
【外壁塗装の色選びが重要な理由】
外壁塗装は一般的に10年から15年程度の周期で行うメンテナンスです。
工事完了後に「思っていた色と違った」と感じても簡単に塗り替えることはできません。
そのため色選びでは、完成直後の見た目・数年後の見た目・周辺環境との調和・汚れの目立ちにくさ
などを考慮する必要があります。
色見本だけで判断するのではなく、長期間住み続けることを前提に選ぶことが大切です。
【一般的に色あせが目立ちやすいのは】
赤系
オレンジ系
黄色系
鮮やかな青系
などの原色に近い色です。
これらの色は紫外線の影響を受けやすく、年月の経過とともに色味が薄くなったり、くすんで見えたりすることがあります。
例えば新築時のような鮮やかな赤色の外壁でも、数年後には色の深みが失われて見える場合があります。
一方で、
ベージュ
アイボリー
グレー
グレージュ
ブラウン
などの落ち着いた色は色あせが比較的目立ちにくい傾向があります。
もちろん塗料のグレードや建物の立地条件によっても変わりますが、長期間にわたって外観の変化を抑えたい場合は、こうした定番色が選ばれることが多くあります。
また、濃色系は色あせだけでなくチョーキング(塗膜表面が粉状になる現象)が発生した際に変化が分かりやすいという特徴もあります。
【色見本と実際の仕上がりが違って見える「面積効果」とは】
外壁塗装の色選びで特に注意したいのが「面積効果」です。
面積効果とは、同じ色でも見る面積の大きさによって色の見え方が変わる現象を指します。
塗料メーカーの色見本帳で確認した色を選んだにもかかわらず、
「思っていたより明るかった」
「イメージより薄い色だった」
という声があるのは、この面積効果が主な原因です。
例えば、手のひらサイズの色見本で見たグレーと、住宅全体に塗装されたグレーでは同じ色でも印象が異なります。
一般的には、
明るい色の場合
白やアイボリー、ベージュなどの明るい色は、広い面積になるほどさらに明るく見える傾向があります。
色見本では落ち着いて見えても、実際に塗装すると想像以上に明るく感じることがあります。
濃い色の場合
ネイビーやダークグレー、ブラウンなどの濃い色は、広い面積になると色見本よりも薄く見える傾向があります。
色見本で「少し濃いかな」と感じる色でも、外壁全体に塗るとちょうど良く感じるケースも少なくありません。
【職人がおすすめする面積効果への対策】
面積効果による失敗を防ぐために、色決めの際におすすめしているのは一般的に次の方法です。
『A4サイズ以上の大きな色見本で確認する』
小さな色見本だけで判断するのではなく、可能な限り大きなサンプルで確認します。
『屋外で確認する』
室内照明と自然光では色の見え方が変わります。
実際の住宅も屋外で見るため、日中の自然光の下で確認することが重要です。
『朝・昼・夕方で見比べる』
外壁の色は時間帯によっても見え方が変わります。
特に濃色系は光の当たり方で印象が変化しやすいため、複数の時間帯で確認することをおすすめします。
『施工事例を見る』
実際に塗装された住宅を見ることで、色見本だけでは分からない仕上がりを確認できます。
愛富では、これに加えて全体の外壁塗装前に実際に壁に色を塗って色味の確認も行っています。
色のイメージは付きにくいことが多いので、仕上がりイメージとの相違が起こらないよう努めています。
【人気色だけで決めない】
外壁塗装では、
ベージュ
アイボリー
グレー
ネイビー
ブラウン
などが人気です。
しかし、人気色だからといって全ての住宅に合うわけではありません。
住宅の形状や屋根の色、サッシの色によって相性は変わります。
色選びでは流行や人気よりも、ご自宅とのバランスを優先することが重要です。
【汚れが目立ちにくい色を選ぶ】
塗装直後の美しさだけでなく、数年後の状態も考慮する必要があります。
外壁に付着する汚れは、砂埃、排気ガス、コケ、カビ、などが中心です。
特に真っ白や真っ黒は汚れが目立ちやすい傾向があります。
一方で、
ベージュ
アイボリー
グレージュ
ライトグレー
などの中間色は汚れが目立ちにくく、人気の高い色です。
【屋根や付帯部とのバランスも重要】
色選びでは外壁だけを見るのではなく、
・屋根
・雨樋
・破風板
・軒天井
・シャッターボックス
など住宅全体のバランスを考える必要があります。
外壁単体では良い色でも、付帯部との組み合わせによって印象が変わることがあります。
そのため色決めは住宅全体を見ながら行うことが大切です。
【色選びとあわせて艶選びも重要です】
外壁塗装では色に注目されることが多いですが、実際の仕上がりを左右する要素として「艶」も重要です。
同じ塗料・同じ色であっても、
・艶あり
・7分艶
・5分艶
・3分艶
・艶消し
によって見た目の印象は大きく変わります。
また、艶は見た目だけでなく汚れの付きにくさや塗膜の性能にも関係します。
艶について詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
▶ 色だけではない、住宅の雰囲気と塗膜の持ちを左右する塗料の艶。一級塗装技能士が艶について解説
【最後に】
外壁塗装の色選びでは、
➀人気だけで決めない
➁色見本と実際の見え方の違いを理解する(面積効果)
➂汚れの目立ちにくさを考える
➃色あせも考慮する
➄屋根や付帯部とのバランスを見る
ことが重要です。
また、外壁の仕上がりは色だけで決まるものではありません。
艶の選び方によっても住宅の印象やメンテナンス性は変わります。
後悔しない外壁塗装のためには、「色」と「艶」の両方を考慮して選ぶことも大切なポイントです。
色選び、塗料のグレード選びなど外壁塗装に関するご相談は愛富にお任せください。


